彼は熱い男だ。自分が納得しなければ最後まで追及し続けるという人間的にも尊敬に値する男だ。
俺はそんなパウロが好きだ。彼が声をかけてくれなかったらプロにはなれなかっただろう・・・
試合直後、パウロがロッカールームに怒鳴り込んできた。
初めて見る顔だった・・・
「お前のプレーはなんだ
「プロとして恥ずかしくないのか
パウロは接触プレーを避け続け相手に倒され続ける俺に腹を立てていた。
いや違うかもしれない。「喧嘩」できない俺に失望したのだろう。
俺は身体能力の違いに不安を感じていたが、パウロは違った。
体の違いがなんだ?パウロが俺に対して感じていた事、デビュー戦の感想は俺に向かっていく気持ちはないのかという事だった。
問題としていたのは「闘争心」だった。
体の違いがなんだ?何で向かっていかない?お前は腰抜けだ!怪我がなんだ!お前は負け犬だ!
パウロは完全にキレていた。
俺も反論し続けた。しかし、パウロには言い訳にすぎなかった・・・
俺が考え方、戦い方を変えなければ代理人を辞めると言い出した。
初め俺はどうでもいいやと考えていた。
しかしこの日を境に俺はプレースタイルをかえた。パウロの人間的なデカさ、そして熱い想いに俺は心動かされた。
パウロは言った・・・
何が怖い?何に怯えている?身体能力の違いは頭脳や経験でカバーできる。1番大事なことはお前はプロである事、お客を喜ばせる義務がある事、そしてお前自信がプライドをもって仕事をする事。今日のお前のプレーは面白くなかった。結果俺は不愉快な思いで家に帰る。俺はお前の代理人であると同時にファンだ。お前にほれ込んだいちファンだ。そして時に父親にだってなってやる。お前は1人ではない。お前を愛してる人間が沢山いることを忘れるな。少なくとも俺の家族はみんなお前のファンであり、お前の成功を願っている。そしてお前を家族だと本気で思っている。だからお前も必死で向かっていけ。お前が限界を感じた時全てが終わってしまうからな・・・たかが1試合。たかがブラジル人だ。お前はそんな奴らに負けない。17の少年が1人でブラジルに向かってきたじゃないか。お前の目は生きていた。その想いは何処にいった?あの時のギラギラした目はどこだ?しかしお前には勇気があった、強い志があった。今だってその想いは死んでないはずだ。お前は誰にも負けやしないんだ。
涙が止まらなかった。誰よりも俺を理解し、誰よりも俺を大切に思ってくれている人達がいる。嬉しかったし、申し訳なかった。
今でもパウロを思い出す。彼は有名な代理人ではなかった。しかし俺にとっては最高の代理人だった・・・そしてよき理解者であった。
俺はプレースタイルを変えた。テクニック重視のスタイルからがむしゃらにグラウンドを走りまくりガツガツぶつかっていく体をはるスタイルに変えた。気持ちを前面に出すことを心がけた。
しかし、いったい人生とはなんだろう。
この転機がサッカー人生を大きくかえた。
目に見えないカウントダウンが始まった感があった・・・
















